海外送金

海外送金におけるリフティングチャージとは

海外送金を行う際には、銀行のホームページなどで「リフティングチャージ」という言葉を目にすることがあります。この記事では、リフティングチャージとは何かについて詳しく解説します。また、日本の銀行各社のリフティングチャージを比較しながら、リフティングチャージを回避し、海外送金の手数料を抑えるコツもご紹介します。海外送金時に発生する様々な手数料や、その回避の仕方・抑え方も具体例を交えながらご紹介します。

リフティングチャージ(円為替取扱手数料)とは

リフティングチャージとは、海外送金の際に発生する手数料の一つであり、通貨の両替を伴わない場合に適用されます。つまり、日本円で送金し、海外の相手が円のまま受け取る場合や、外貨で送金し、同一外貨のまま受け取る場合にリフティングチャージが発生します。

特に円から円への送金の場合、リフティングチャージは「円為替取扱手数料」と呼ばれることもあります。この手数料は、最低で2,500円、または送金金額の0.05%(1/20%)のいずれか高い方が適用されることが一般的です。

例えば、10万円を円のまま海外に送金する場合、リフティングチャージは2,500円となります。一方、10万ドルをドルのまま海外に送金する場合は、リフティングチャージが50ドルとなります。

海外送金の種類とは

海外送金には、通常3つのタイプがあります。

  • 円から外貨への送金
  • 円から円への送金(円建て送金)
  • 外貨から外貨への送金(外貨建て送金)

参考元:https://wise.com/jp/blog/lifting-charge

まずは、円から外貨への送金です。この方法では、日本から円で送金し、海外の受取人は外貨で受け取ります。この場合、通貨の両替が必要となります。

次に、円から円への送金(円建て送金)があります。この方法では、日本から円で送金し、海外の受取人も円のまま受け取ります。ただし、受取人は円建ての口座を持っている必要があります。通貨の両替は発生しません。

そして最後に、外貨から外貨への送金(外貨建て送金)があります。この場合、日本から外貨で送金し、海外の受取人も同じ外貨で受け取ります。ただし、日本に外貨口座を持っている必要があります。

これらの方法の中で、最も一般的なのは円から外貨への送金です。この場合、送金時に通貨の両替が行われるため、リフティングチャージは発生しません。

ただし、円から外貨への送金(1の方法)では、代わりに為替手数料が発生します。これは、銀行が海外送金を行う際に、実際の為替レートではなく、為替手数料を上乗せした独自の為替レートを使用するためです。したがって、銀行を通じて海外送金を行う場合、通貨の両替の有無にかかわらず、さまざまな手数料が発生する可能性があることに留意してください。

リフティングチャージの計算方法

では、リフティングチャージの金額はどのように計算されるのでしょうか。一般的に、リフティングチャージは送金金額の一定割合(0.05%)または最低金額(2,500円)のいずれか高い方が適用されます。送金金額が大きければ大きいほどリフティングチャージも増えるため、注意が必要です。

例えば、三井住友銀行を利用してアメリカの受取人に10万円を送金する場合を考えてみましょう。三井住友銀行では、次の3つの送金方法があります。

1.円口座からドル口座への送金

送金手数料(中継銀行手数料を含む)は6,000円で、為替手数料は1ドルあたり1円です。リフティングチャージはありません。したがって、合計コストは6,000円+為替手数料(約778円)となります。

2.円口座から円口座への送金(円建て送金)

送金手数料は6,000円で、為替手数料はありません。代わりに、送金金額の0.05%(最低2,500円)がリフティングチャージとしてかかります。したがって、合計コストは8,500円となります。

3.ドル口座からドル口座への送金(外貨建て送金)

送金手数料は6,000円で、為替手数料はありません。送金金額の0.05%(最低2,500円または25ドル)がリフティングチャージとしてかかります。したがって、合計コストは8,500円となります。

少額の送金の場合はリフティングチャージよりも為替手数料の方が安くなることが分かります。つまり、特別な事情(受取人が円で受け取りたいなど)がない限り、円から外貨への送金がおすすめです。

しかし、銀行を介した海外送金では、どの方法を選んでも手数料がかかることに驚かれるかもしれません。しかし、最近では新しい海外送金サービスも増えており、低コストで便利に送金できる方法もあります。このようなサービスでは、リフティングチャージのような追加の手数料がない代わりに、実際の為替レートで送金が行われます。これにより、通常の銀行よりも安く送金できる場合があります。

海外送金手数料の抑え方

海外送金手数料を抑えるためには、以下のポイントに注意することが重要です。

1.銀行や送金サービスの手数料比較を行う

異なる銀行や送金サービスの手数料を比較し、より手数料の安いオプションを選ぶことが大切です。

2.実際の為替レートを確認する

多くの銀行やプロバイダは、為替手数料を上乗せした為替レートを使用しています。実際の為替レートを確認し、手数料の安いサービスを選ぶことで最適な送金方法を選ぶことができます。

海外送金を行う際には、送金方法や手数料の詳細をよく確認することが重要です。銀行によって手数料やサービスが異なるため、比較検討することもおすすめです。

各銀行のリフティングチャージ比較

最後に、主要な銀行のリフティングチャージを調べてみました。

三菱UFJ銀行

  • 1/20% (最低2500円)

参考元:https://www.bk.mufg.jp/tesuuryou/gaitame.html

三井住友銀行

  • 1/20% (最低2500円)

参考元:https://www.smbc.co.jp/kojin/fee/resources/pdf/fee_gaikoku.pdf

りそな銀行

  • 1/20%  (最低2500円)

参考元:https://www.resonabank.co.jp/kojin/kinri_kawase/tesuryo/

楽天銀行

  • 3000円 ※法人の場合は2500円

参考元:https://www.rakuten-bank.co.jp/geo/remittance/charge/

多くの銀行では全て1/20% (最低2500円)のリフティングチャージを設定しているようです。最新の情報を入手するためには、各銀行や送金サービスのウェブサイトを確認するか、直接問い合わせることをおすすめします。

セブン銀行の海外送金手数料

PayPalの海外送金手数料

みずほ銀行の海外送金手数料

まとめ

海外送金を行う際には、リフティングチャージ(円為替取扱手数料)に注意が必要です。リフティングチャージは通貨の両替を伴わない場合に発生し、送金金額や送金方法によって異なる料金が適用されます。また、海外送金手数料を抑えるためには、銀行や送金サービスの手数料比較や実際の為替レートの確認が重要です。手数料を抑えて効率的に送金するために、上記のポイントを参考にしてみてください。

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